卒業生紹介
ジュエリー
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さらなる高みを目指して、探求と試行錯誤を続ける
ブルガリ ジャパン株式会社
ジュエリー テクニシャン門倉 晃大さんジュエリーの修理は、制作の工程とは異なり、完成された状態のものに手を加えるのが難しいところだ。「お客様の大切なジュエリーをお預かりしているので、失敗は許されないという緊張感があります」。ただ壊れた部分を直すだけでは、また同じ箇所が壊れるリスクがある。だからジュエリーの状態から使用状況を推測し、必要な補強をするという繊細な心配りも求められる。修理の方向性が定まらず悩むこともしばしば。「解決の糸口がつかめた瞬間は、パズルのピースがはまったような快感があります。それがこの仕事の面白さかな」。
念頭に置いているのは「昨日の自分を疑うこと」だと門倉さんは言う。「指輪一つ磨くにも、手順や道具は無数にある。過去のやり方で良いと思ってしまうと、自分のレベルアップにつながらないから」。「人に憧れられるような職人になりたい」という強い思いが門倉さんの原動力だ。COMPANY DATA
ブルガリ ジャパン株式会社
130年を超える歴史を持つトータルラグジュアリーブランド。ジュエリーをはじめ、時計、レザー・シルク製品、パルファン等、その美しく高品質な製品は世界中で愛され、多くのセレブリティたちからも支持を集めている。
https://www.bulgari.com/ja-jp/ -
「できなかったこと」を「できること」に変える喜び
LVMHウォッチ・ジュエリージャパン株式会社
クラフトマン櫛部 孝明さんジュエリーのリペアやアフターケアなどを手掛ける櫛部さん。主に担当するのは世界最高級ブランド『ショーメ』の商品だ。ショーメのジュエリーに触れる中で感じるのは、「圧倒的なセンスの良さ」だという。「フランスらしい繊細なラインどりとか個性的なデザインとか、やっぱりズバ抜けていると思います」。とはいえ「技術では日本も負けてない」という自負ももつ。だから、「それまで本国でしかできなかった修理を日本でやらせてもらえるようになったときはすごくうれしい」のだという。
心がけているのは、「お客様の立場に立つこと」と「ブランド価値を守ること」。両立させてこそベストなパフォーマンスが生まれる。その中で、常に新しいやり方を考え、挑戦し続けるのが櫛部さんのポリシーだ。「ルーティンで同じことをやり続けるのがどうも苦手で(笑)。もっともっと、いろんな可能性を追究していきたいですね」COMPANY DATA
LVMHウォッチ・ジュエリージャパン株式会社
「ルイ・ヴィトン」「セリーヌ」「フェンディ」「ブルガリ」「ティファニー」など、名だたるブランドを傘下に持つ世界最大のファッション業界大手企業体LVMHグループの日本法人。グループ企業の時計やジュエリーを取り扱う。
https://www.lvmh.co.jp/ -
卓越した技術と知識の伝承
株式会社ミキモト装身具
クラフトマン福山 優香さん 今野 琢也さん各国王室にも愛用されている老舗ブランド、ミキモト。同社では美術工芸品から、細かなパーツにいたるまであらゆる業務にクラフトマンが携わる「多能工」体制をとっている。今野さん・福山さんは、制作部門の一員として高級宝飾品を中心に手掛けている。
二人ともヒコ在学時に技能五輪へ出場、金賞を受賞した経験があるが、「入社して先輩方の仕事を目の当たりにしたら、今まで得てきた技術や知識は本当に氷山の一角だということがわかった」(今野さん)というほど、同社には日本の第一線を担うクラフトマンが集まっているという。「日々たくさんのMIKIMOTOジュエリーを手がけていく中で、しっかりと技術が身について応用できるようになる。その積み重ねが魅力であり、やりがいへと繋がっています」(福山さん)。 日本の職人技と最新知識を得られる環境の中、二人は切磋琢磨しながら一流クラフトマンへの歩みを進めている。COMPANY DATA
株式会社 ミキモト装身具
世界で初めて真珠養殖に成功した御木本幸吉が創業者。以来100年以上の伝統を継承し続けている。洗練された高品質なジュエリーで日本のジュエリーを牽引するミキモトブランドの商品制作を担っている。
https://www.mikimoto-jf.co.jp -
「人を想いながらつくる」オーダーメイドジュエリーの魅力
株式会社 ケイ・ウノ(現在は台湾ケイウノ勤務)
デザイナー莫 少涵さんお客様の目の前でデザイン画を描くのがケイウノのスタイル。デザイン力のほか、反応や雰囲気を見ながら企画提案を行うスキルも求められる高度な仕事だ。莫さんがオーダーメイドに惹かれたのは、卒業制作がきっかけだった。留学を後押ししてくれた両親に、サプライズでジュエリーを贈ることに決めたのだ。好みを調べ、両親のことを考えながら作ったのは、ペアのピンブローチ。「誰かを想ってつくる」ことの喜びを実感した。
入社して9年。ブライダルリングの受注をきっかけに、ベビーリングやファッションジュエリーへと、5~6年のお付き合いになるお客様も多いという。「本当に自分のことを想って提案してくれているかは、対面だとすぐにわかってしまう。だから常に目の前のお客様に全力投球です」。2021年からは母国台湾の店舗で働くことが決まった莫さん。「いつか自分も台湾で接客したい」そんな夢を実現させた彼女の活躍が楽しみだ。COMPANY DATA
株式会社 ケイ・ウノ
ジュエリー、時計などの宝飾品のオーダーメイド・リフォーム専門企業。全国に直営店32店舗、台湾に2店舗を展開、デザイン・製作・販売まで一貫して行う。店内にはデザイナーが常駐し、セミオーダーからフルオーダーまで幅広く対応。
https://www.k-uno.co.jp/ -
デザインしたジュエリーで「幸せの形」を届ける
株式会社 ヴァンドーム ヤマダ
企画デザイナー張本 美惠さん主力ブランド『ヴァンドーム青山』のブライダルラインを担当する張本さんには、自身がデザインしたエンゲージリングで忘れられない思い出がある。「『共に歩み、未来の時を刻む』という意味を込めた、時計のリューズ(竜頭)モチーフのリングなのですが、友人が気に入り購入してくれたんです」。購入した男性は、張本さんの友人でもある女性にプロポーズ、めでたく結婚が決まった。「自分のデザインしたジュエリーを幸せの形として届けたいという私の夢を、身近な友人たちで実現できたことが、とても嬉しくて…」。
今回のリングは時計コース卒の友人にリューズのサンプルを借りてデザインを研究、完成に至ったそう。ヒコで培った人脈も大きく役立っている。 「この会社で働くことで自分の夢を叶えさせてもらっています。今後も引き続き技術力を磨いて、もっと多くの皆さんに幸せをお届けできるように頑張りたいです」COMPANY DATA
株式会社 ヴァンドーム ヤマダ
日本を代表するジュエリーブランド。ブライダルジュエリーをはじめとした高級感あふれるジュエリーから、カジュアルなアクセサリーまで豊富なラインナップを揃え、全国の百貨店内に116店の直営店舗を展開。
https://vendome.jp/ -
コンテスト入賞を通じて見つけた、新たな目標
株式会社 桑山
デザイナー菅野 早紀さん株式会社桑山でデザイナーを務める菅野さん。現在はクライアントニーズに基づいたジュエリーデザインを月3~4個、プロパー(自社企画)商品のデザインを月1~2個手がけている。同社では毎年JJA(※)主催のジュエリーデザインアワードへ参加している。社内プレゼンなどを経て選ばれた社員が出場権を手にし、材料費なども会社が負担してくれるというものだ。菅野さんは2014年の同コンテストに「PEACOCK(孔雀)」をテーマにした作品を出品し、みごと優秀賞を受賞した。「今回の作品出品で、実現できるデザインとできないデザインというのが如実に見えてきました。きちんと実現できるデザインを描くことが、今後の課題です」。コンテストを通じて、新たな目標とやりがいを見つけた菅野さん。「毎日が勉強ですが、手がけた商品が店頭に並んでいるのを見ると本当に嬉しいもの。着け心地がよく、愛されるジュエリーを生み出していきたいです」。※一般社団法人日本ジュエリー協会
COMPANY DATA
株式会社 桑山
ダイヤモンド、パール、チェーンをはじめとするジュエリーの総合メーカー。企画・デザインから生産、販売、サービスまでを一貫して行う。自社オリジナルジュエリーのほか、OEM、ODMも手がける。
https://www.kuwayama.co.jp -
AHKAHの品質を守る「良心」でありたい
株式会社 アーカー
生産管理部スペシャリスト竹森 充泰さんAHKAHの生産管理部門を束ねる竹森さん。年間約10万点もの商品を、品質を守り、納期を遅らせることなく供給する仕事には大きな責任が伴う。「重要なのは『品質の安定』と『商品の安定供給』」だと竹森さんは言う。そのために心がけているのは、製造現場との密なコミュニケーションだ。修理の多いものについては問題点や改善策を徹底的に話し合う。
竹森さんが大切にしているのは、「品質は良心だ」という言葉。たとえば検品の段階で少しでも良くない点に気づいたら、「これはお客様に渡してはいけない」という「良心」を持って不合格とする。「良心を忘れると、知らず知らずの間に品質が低下していく」のだという。「僕は、AHKAHの商品を手にしたお客様に『感動』してほしい。ジュエリーを通してお客様が喜んでくれたり幸せになったりする、その手助けができればいいな、と」。竹森さんが送りだすAHKAHのジュエリーは、お客様に対する想いであふれている。COMPANY DATA
株式会社 アーカー
1997年設立。 “日常生活の中で親しみやすく、着けやすいジュエリー” というコンセプトのもと、熟練職人がつくり出すジュエリーは、日常に寄り添う小さな「宝物」として多くの女性から支持を得ている。
https://www.ahkah.jp -
ジュエリーデザインは「あこがれ」を生み出す仕事
株式会社 エフ・ディ・シィ・プロダクツ
カナル4℃デザイナー中田 綾奈さん中田さんが4℃で働くことを決めたのには、2つの理由があった。1つは同社のモノづくりへの熱い思いに心を動かされたこと。そしてもう1つは、4℃との“縁”だった。「二十歳の誕生日に、叔母からもらった初めてのジュエリーが4℃だったんです」。華奢で可愛いそのネックレスは、大人になりたての彼女にとって「あこがれのジュエリー」だった。
現在はセレクトブランド『canal 4℃』でジュエリーデザインを担当している中田さん。「canalは流行を意識したブランドでもあるので、こまめに市場調査に出て、素材や色、デザインなどの変化をキャッチするようにしています」。一昨年には、中田さんがデザインを任されたクリスマス限定シリーズが見事完売し、大きな自信になった。デザインに悩んだらお客様の顔を想像する、という中田さん。自分の生み出すジュエリーが、誰かにとっての「あこがれ」になるように。そんな思いで日々仕事と向き合っている。COMPANY DATA
株式会社 エフ・ディ・シィ・プロダクツ
20代の女性から圧倒的な支持を得ている『4℃』は、1972年に誕生。ジュエリーだけでなく、バッグ、時計、メンズへとアイテムを拡げ、『4℃』以外にも『canal4℃』『MAISON JEWELL』などのブランドも展開。
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初めて企画した商品がIJT(国際宝飾展)で受注獲得!
株式会社 ルキナ
企画デザイン大出 真由さん大出さんの仕事は、大きく二つ。クライアントの要望を形にするOEM業務と、展示会などに出品するオリジナル商品の企画だ。OEM業務で求められるのは「提案力」。素材やデザイン上、実現が難しい要望に対して、「できません」とは言わずに「こういう形ならできます」と提案し、お客様に寄り添う対応を心がけているという。
今冬の日本最大のジュエリーの展示会IJT(国際宝飾展)では、大出さんの企画したジュエリーが海外のお客様から好評をいただき、受注が決定。知らされたときは「思わず『やったあ!』って叫んじゃいました」。自分の思い描く「可愛い」が形になる瞬間は大きな喜び。さらにそれが売れれば、自信につながる。
自社のジュエリーも「もう13個も買いました(笑)」というほどお気に入り。新たな「可愛い」は、こんな“ジュエリー愛”から生み出されていく。COMPANY DATA
株式会社 ルキナ
ファッションジュエリー/ブライダルジュエリーの企画・デザイン・製造・販売を行っている。自社オリジナル商品だけではなく、OEM商品も多数手がけており、国内・海外へ向けて幅広いデザインの商品を提案している。
https://www.lukina.jp -
“心を動かす”ジュエリーをたくさんの人に届けたい
イー・エム・デザイン株式会社
ECサイト担当清 奈央さんEC部門でZOZOTOWNのブランドサイトの運用を担当する清さん。商品撮影や毎日更新するニュース原稿作成、在庫管理や売上管理など、業務は多岐にわたる。見せ方で心がけているのは「ユーザーを限定しないこと」だという。「サイトを訪れる人に『私には関係ない商品』と思われないように、モデルの服装や髪色などバリエーションをもたせています」。やりがいを感じるのは、ニュースで取り上げた商品が売れていくとき。「お客様の顔は見えないけれど、商品の動きを見て『伝わった!』って思えるんです」。
清さんがe.m.に入社を決めたのは、「ジュエリーは心を動かすもの」という理念に共鳴したからだ。清さん自身も、ジュエリー作家の叔母からプレゼントされた手作りのリングに同じ思いを抱き、この道に進んだ。「そんなe.m.ジュエリーの魅力を伝えるのが私の仕事。ECのプロフェッショナルとして、会社に貢献できる存在になりたいです」。COMPANY DATA
イー・エム・デザイン株式会社
“みんながよろこぶモノづくり” “ありそでなさそなモノづくり”をコンセプトに個性的なアクセサリーを展開。路面店となる「e.m.青山店」をはじめ、「新丸ビル」「伊勢丹新宿店」などの直営店のほか、全国の人気セレクトショップでも展開中。
https://www.em-grp.com/ -
こだわりを詰め込んだ、輝く真珠のアクセサリー
ohrora
デザイナー森 啓子さんオーロラのように輝く真珠を用いたアクセサリーブランド「ohrora」。森さんは真珠の買い付けも自身で行っている。「ダイヤは鑑定書があるけれど、真珠は同じ価格でも品質が全く違う。1つ1つ自分の目で確かめるしかないんです」。何千個もの中から目指す1つを選び出す、集中力と忍耐のいる作業だ。いちばん楽しいのは試作をする時間だと森さんは言う。「新たなものを生み出す瞬間は、毎回ものすごくワクワクします」。
学生時代から真珠という素材にこだわってきた。「切ったり染めたり、カットして断面を磨いたり、いろいろトライしました」。白くて丸いだけでない、色や形のバリエーションがあるところも魅力だと森さんは語る。「今後はもっとふんだんに真珠を使ったアート的な作品も作ってみたくて。ウェディングのヘアアイテムなど、リースで使っていただけるようなものならニーズがあるかな、と」。創作欲は高まるばかりだ。COMPANY DATA
ohrora
真珠が纏うオーロラの光を活かしてデザインした、日常のファッションに着けるパールジュエリーを展開。使用するパールはデザイナー自らが目利きをし、仕入れを行っている。
https://ohrora.jp/ -
高級宝飾デザイナーとしてのやりがい
株式会社セーリオ
デザイナー押田 朋也さん現在セーリオの商品のデザインをほぼ一人で担当しているという押田さん。商品の価格帯は30万~3千万と幅広く、1千万円近い商品のデザインを担当することも。「まさか自分がそんな高額なジュエリーをデザインするなんて思ってもみなかったです」。百貨店での催事の際は、店頭に立ち直接お客様と触れ合うこともあるという。「自分のデザインを気に入って購入していいただく場面を目の当たりにすると、とても嬉しいですし、やりがいを感じますね」
COMPANY DATA
株式会社セーリオ
貴金属のデザイン・企画・製造から大手宝飾店への卸、大手百貨店を中心とした販売までを手掛ける。100年以上の歴史と確かな品質を誇る老舗ジュエラー。
http://www.serio-jewelry.com/ -
アクセサリー作りの楽しさを広めたい!
株式会社 貴和製作所
企画中畦 沙耶さん言わずと知れたパーツメーカー、貴和製作所で商品開発を担当する中畦さん。お店には学生時代からよく足を運んでいたという。「パーツ屋さんって、いわゆる問屋さんタイプが多いけれど、ここはまるでファッション誌の世界みたいにハイセンス。創作意欲を刺激されました」
日々リサーチを重ね、アイデアが生まれたら企画書を書き、提案する商品開発の仕事は、自由度が高い分、客層を捉え、「次に流行るもの」を予想する視点の高さも重要になる。そしてもう一つ、中畦さんが大事にしているのは「お客様が快適に自分の作品を作れること」だ。「お客様は職人じゃなく、趣味でアクセサリーを作られている。だから、使い方や作り方が“わかりやすい”ことがとても重要なんです」。店頭で会ったお客様に「これ自分で作ったんです!」と言っていただけると、とてもうれしい。「作る楽しみ」を誰よりも知っている中畦さんだからこそ、その楽しさをたくさんのお客様に味わってほしいのだという。COMPANY DATA
株式会社 貴和製作所
1975年創立。アクセサリーパーツの製造・卸・販売およびオリジナルアクセの企画・販売を手掛ける。パーツの問屋街として有名な浅草橋に3店舗、銀座、原宿(ラフォーレ原宿)等に直営ショップがある。
https://www.kiwaseisakujo.jp/shop/default.aspx -
「ブランドをつくり上げる」という刺激的な挑戦
DRESS UP EVERYDAY
デザイナー田淵 篤子さんe.m.から生まれた新ブランド「DRESS UP EVERYDAY」。そのデザイナーに大抜擢されたのが田淵さんだ。e.m.が新たにデザイナーを立てるのは今回が初めて。「最初はプレッシャーというより、とにかく必死。でも、私が『可愛い!』と思えるモノを生み出す作業は、すごく楽しいです」。「DRESS UP EVERYDAY」は、期ごとにコンセプトを設定して展開するブランド。田淵さんはコンセプトメイキングから全てを任されている。「コンセプトは毎回ガラッと変えたいんです。お客様にいつも新鮮な驚きを感じていただきたいので」。ただしお客様の好みを考慮し、イメージは変えつつテイストは残す。そのさじ加減が難しいのだという。「自由にやらせていただいている分、責任も感じます。でも、常に挑戦は続けていきたいですね」。今後はよりストーリー性のある商品を展開していきたいと語る田淵さん。彼女の表現する世界観は、これからもたくさんの驚きとトキメキをもたらしてくれるはずだ。
COMPANY DATA
DRESS UP EVERYDAY
毎日をドレスアップするコスチュームジュエリーのブランド。2014年2月のroomsでデビュー。
http://www.em-grp.com/brand/dress_up_everyday/ -
世界で数人しか到達できない技術の高みへ
セイコーインスツル 株式会社
匠工房 彫金師兼﨑 遼斗さん最も薄い部分が厚さ僅か0.25mmの時計の盤面に、オリジナルの彫刻刀を使って繊細かつ立体的な図柄を描く。兼﨑さんが取り組む彫金技術は、想像を遙かに超える高みにある。
彫った線が美しく光るよう、彫刻刀の角度や彫りの深さを微妙に調節しながら彫り進めていく。試行錯誤は大変だが、ステップ毎に修得したときの達成感は何物にも代えがたいという。世界レベルの技の修得を目指す兼﨑さんの挑戦は続く。COMPANY DATA
セイコーインスツル 株式会社
1937年設立。国産ブランドの最高峰「グランドセイコー」や、世界有数の薄さを誇る「クレドール」など、世界中の人々に愛される腕時計を作り続けている。
https://www.sii.co.jp/jp/ -
ジュエリーでアートを日常に
Sis.
ショップオーナー デザイナークラフトマン佐藤 菜津子さん「雑貨するアート」をコンセプトに実の姉とブランドを立ち上げた佐藤さん。ヒコ在学中にアートジュエリーにたくさん触れ、ジュエリーなら、人と最も近いところで常に触れられるアートになるのでは? と気づいたのだそう。原宿のショップもオープンしてから14年目。佐藤さんは「ここまで長く続けられたのも、仲間やお客様、たくさんの方々の力があってこそ」と語る。そんな感謝の想いが詰まった「Sis.」は、これからも進化を続けていくに違いない。
COMPANY DATA
Sis.
姉の亜美さんがバッグ、妹の菜津子さんがジュエリーを制作。原宿のショップではコンセプトに賛同するデザイナーの商品も取り扱う。全国の百貨店等で期間限定ショップも開催。
http://www.sis-hi-sis.com -
ブランドとしての思いをお客様に確実に届けるために
株式会社 ライオンハート
ブランド事業部 Webディレクター藤原 勇気さんWebが最もポピュラーな検索ツールとなっている今、藤原さんの役割は大きい。商品の魅力が最大限伝わるように、撮影や紹介文の細部にこだわり、練り上げていく。サイトの良し悪しが実店舗への送客や売り上げに直結する。
大切にしているのは「ブランド愛」だ。「愛があるから、もっとカッコよく見せたい、多くの人に伝えたい、と思う」。発信する思いがブレなく伝わり、それがお客様の喜びになる。そんな幸福なつながりを日々生み出している。COMPANY DATA
LION HEART
1996年から続くドメスティックブランド。『常に変化を恐れず 新たな価値観をシェアし続ける アクセサリーブランド』をコンセプトに常に新しい事柄に挑戦し続けている。
https://www.lion-heart.co.jp -
「お守り」ジュエリーでつける人の心をバラ色に!
RooSY
ブランドオーナー デザイナーキタ ユキさんキタさんが作るのは『お守りとしてのジュエリー』。『つけていると自信が持てる』『元気になる』というお客様の喜びの声が何よりの原動力だ。先日は結婚指輪を作ったお客様から、お母様の還祝いのプレゼントをオーダーしていただいた。そんな繋がってゆくご縁も嬉しい。昨年は原石を仕入れにミャンマーまで足を延ばした。現地で見たもの、感じたものがデザインの刺激になる。『つくり出すものも、私自身も変化していると思う』。新しい歴史は始まったばかりだ。
COMPANY DATA
RooSY
『ひとの心を豊かにするものを作りたい』をブランドテーマに、身につけることを楽しめるようなオリジナルデザインジュエリーや、オーダーメイドでのブライダルジュエリーを生み出している。
http://roosy.jp -
世界に1つの手作り結婚指輪を、鎌倉の思い出と共に。
鎌倉彫金工房
代表嶋﨑 真也さん「ふたりでつくる手作り結婚指輪」を主軸とする彫金工房を立ち上げたのは2011年。「作った指輪をデートの思い出と一緒に持ち帰ってほしい」という思いも込めて、ここ鎌倉の地を選んだ。 心がけているのは、お客様に寄り添うこと。先入観を捨て、まず「聴く」ことを徹底しているという。「手作りといっても、一から十まで自分で作りたいのか、プロに手伝ってほしいのか、求めるものは違う。求める指輪も人それぞれ全く違う。だから、とにかくヒアリングを大事にしています」。一生に一度の大切なものだからこそ、お客様それぞれにベストなものを、最高の体験として提供したい。それが嶋㟢さんの思いだ。
嬉しいのは、接客したスタッフのもとにお礼やお褒めの手紙、メールなどが届くこと。「常に幸せのおすそ分けをいただいているような喜びがあります」。夢は手作り結婚指輪を全国に広めること。まだ道は半ばだ。COMPANY DATA
株式会社 鎌倉彫金工房
型工房。初心者でも、楽しみながら短時間で指輪が作れるのが特長で、「シンプルで永く愛せるデザイン」をコンセプトとして『指輪を作る体験』と『一生に残る思い出』をお客様に提供する。
https://kamakura-chokin.com/ -
つける人と一緒に日々を重ねるアクセサリー
nibi
クラフトマン・デザイナー芳田 慎平さん・石原 真美さん活動を始めて丸5年。二人で楽しみながらモノづくりをしていくという道を思い描いたとき、それが自然に「nibi」という形になったのだという。自分たちが「好き」と思えるものをつくるのが唯一のルールだ。
こめられているのは、「普段使いで、長く愛用していただきたい」という思い。「私たちの思いを受け止めて、気に入って使い続けてくださるお客様が増えているのが、すごくうれしいですね」COMPANY DATA
nibi
金属の色合い、日常になじむデザインにこだわったジュエリーを展開。2016年にオープンしたアトリエ兼ショップ「renri」では、結婚指輪の手作りやオーダーメイドを手がけている。
http://nibi-craft.com -
「個性」を究め、まだ誰も見たことのないものを世に送り出す
Legio Made(レギオメイド)
オーナー小熊 裕樹さん在学中にブランドを立ち上げ13年が経つ。当初から変わらないのは「誰も見たことがないものを作る」個性の追求だ。「上手な人は他にいくらでもいる。僕にしか作れないものを生み出さないと意味がないから」。
上海、香港、台湾にも進出。SNSを見て海外から葛飾区のショップまで足を運ぶ人も。国内外のシルバーアクセサリー好きを魅了してやまない小熊さんだが、驕りは全くない。「僕のアクセサリーを手に取った人が、『やっぱ、カッコいいよね』ってつぶやく。そんな何気ない瞬間がいちばん嬉しい」。
13周年を記念して個展を開いた際、アクセサリーのパーツを組み合わせて巨大なオブジェを作った。「制作に没頭していた時間がものすごく贅沢で幸せで。新しい世界観が生まれたし、今後やりたいことが見えてきたと思う」。好きなことをやり続けてきた日々が肯定されたと感じた。ブランドは新たなステージを迎える。COMPANY DATA
Legio Made(レギオメイド)
小熊氏が在学中に立ち上げたシルバーアクセサリーブランド。重厚かつ繊細なつくりのアイテムを展開し、ミュージシャンの衣装協力等も行う。国内外のセレクトショップを中心に活躍中。
https://legiomade.theshop.jp/ -
七宝の技と造形美で表現する日本の美
ミノワダジュエリークラフト
オリジナルショップ/ブランドオーナー簑和田 幸恵さん日本の四季折々にある美の景色を、七宝装飾を使って優美なジュエリーに仕立て上げるのが『ミノワダジュエリークラフト』。ヒコの同級生だったご主人と立ち上げたジュエリーショップだ。「和のテイストを取り入れたゴージャスなジュエリーは珍しいので、ロシアの映画俳優など、海外からの評価をいただけることもあります。ただ、国によってはデザインが気に入られても価格の部分で相容れないことも。どんなに繊細で美しくても、七宝はガラス。宝石に比べて劣るものだという見方もあるんですよね」。ジュエリーは曲線的かつ複雑な立体。思い描いた通りに彩るためには、釉薬の調合や焼付けの温度など、さまざまなポイントを同時にクリアしなければならない。その技としての価値が、伝わりきれないことがあるのだという。「私たちの作品づくりが、人々の認識を変えていく一端になれたら。そう思いながら、より美しい七宝ジュエリーを追求する毎日です」。
COMPANY DATA
ミノワダジュエリークラフト
アトリエ併設のジュエリーショップ。オリジナルブランド『shiki』では、ドレスラインのハイジュエリーを中心に展開。JJAジュエリーデザインアワード・グランプリ等、多数のコンテスト受賞。
シューズ
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熱い気持ちをアスリートのためのデザインに
株式会社 アシックス
デザイナー小泉 匡史さん日本を代表するシューズメーカー、アシックスで活躍する小泉さん。彼がスポーツシューズのデザイナーを目指したのは、大学時代に夢中だったフットサルがきっかけだった。「フットサルのコートでプレイしやすく、かっこいいシューズを作りたいと思ったのが原点です」
小泉さんの代表作はトレイルランニングシューズ「GEL-FujiLyte」だ。フランスのグザビエ・テベナール選手がGEL-FujiLyteを履いて世界最高峰のレースUTMBで優勝した。「選手のフィードバックをもらって4段階で改良していきました。グザビエ選手が昨年UTMFに招待されて来日した際、インタビューできたんですよ。とても気に入ってくれていて、選手と近い距離で仕事ができたことがうれしかったですね」
小泉さんのモチベーションのコアにあるのは、「アスリートのためにデザインしたい」という思い。「どのシューズのデザインも初心を忘れないようにしている」と小泉さん。初心の熱い気持ちをキープし続けることは並大抵のことではない。「でもその熱を沸騰させ続ければ、自然に努力できる。デザイナーには強い気持ちが大切だと思います」。彼が内に秘める炎は今も大きくなりつつあるようだ。COMPANY DATA
株式会社 アシックス
国内で売上高一位を誇る総合スポーツ用品企業。アスリートから一般ユーザーまで幅広い層の信頼を得ている。海外売上比率が約80%と、グローバル企業としても高い知名度を誇る。
https://www.asics.com/jp/ja-jp/ -
考え続け、動き続けることでチームの勝利に貢献する
ヴィッセル神戸
エキップメントマネージャー石黒 友燿さんヒコ卒業後、 サッカー界にマネージャーを派遣する会社に入社。 なでしこジャパンのサポートも経験した。 ヴィッセル神戸と契約を結んで1年になる。主な仕事は練習や試合の準備や後片付け、練習場の整備など。 「選手が100サッカーに集中できるようにするのが僕の仕事です」。 大事なのは 「どれだけ気を配れるか」だという。 「常に周りを見て、「今、何が必要か」 を考え続けています」。「この仕事の魅力は、試合に勝って達成感を得られること。 普通に生きていたら、なかなか味わえないことですよね」。チームが勝利し、選手たちと喜びを分かち合う瞬間は至福だ。「ピッチに立っていなくても、心はいつも選手たちと一緒です」。高校生までサッカーをやっていた。 日本のホペイロの先駆けと言われる松浦紀典 氏のブログも読んでいた。 その松浦氏がヒコ在学中に来校し、間近で講演を聞いた。 そして今、憧れた仕事に就いている。「休みはほとんどないですが、 大変だと思ったことは一度もないですね」 と笑う。夢は所属チームのJリーグ優勝と 「サッカー人口がもっともっと増えること!」。 サッカーなしでは今の自分はありえない。 石黒さんの人生はサッカーと共にある。
COMPANY DATA
ヴィッセル神戸
日本の兵庫県を本拠地とするサッカークラブチーム。数々の有名な選手を擁し、 2018年にはアンドレス・イニエスタが加入。 同年には天皇杯で初優勝を果たし、 ACL出場権を獲得した。
https://www.vissel-kobe.co.jp/ -
学んだ知識と経験を武器に、新しい靴を世に送り出す
オリエンタルシューズ 株式会社
営業部坂林 拓人さん「オリエンタルシューズ」 で営業として活躍する坂林さん。 その業務はOEMの受注や自社ブランドの企画・開発と多岐にわたる。「割合としてはOEM業務が6~7割、残りが自社ブランドといった感じでしょうか。 発注先はアパレル企業が多く、いろいろな要望をかなえるための試行錯誤が、自社ブランドの開発にも生かされてますね」。ヒコで学んだ靴作りの経験は、坂林さんの大きな武器となっている。お客様から「こういうものを作りたい」といわれた時には、頭の中で瞬時に「できること」「できないこと」を考え、よりベストな方向を提案。 また自社の生産ラインに難しいと言われた案件でも「こういう方法ならどうか?」など新しい提案をすることができる。「作りを知っている自分だからこそ、双方の意見を聞いて新しい提案ができる。 お客様の希望と生産ライン、それを負担なくつなげ るのも自分の仕事だと思っています」。今年から坂林さんが携わった自社ブランド 「Oriental」 が、名実ともに日本一の新宿伊勢丹紳士靴売り場に並ぶ。「学生のころ憧れていた場所に、自分の携わった靴が置かれる。こんな嬉しいことはありませんね」。
COMPANY DATA
オリエンタルシューズ 株式会社
奈良県大和郡山市にある靴メーカー。「健康で美しい暮らしに貢献する」をスローガンに、オリジナルブランドを数多く展開。 機能的で美しい靴づくりを行う。
https://www.oriental-shoes.co.jp/ -
「好き」という思いが、新たなものを生み出す原動力になる。
株式会社ダニュウ
商品開発営業部課長浅田 菜夢さん2児の母でもある浅田さん。 現在はご主人の転勤に伴い、熊本から在宅勤務を続けているが、 産休、育休をとりながら15年間勤め続けてきた。主な業務はオリジナルブランドとOEMの商品企画だ。 展示会に向けて、メンバーと検討を重ねながらテーマや商品ラインナップを決定していく。重要なのは 「日頃からアイデアをどれだけストックしておけるか」 だと浅田さんは言う。高校時代からスニーカー好きで、 バイトで貯めたお金はすべてスニーカーにつぎ込み、コレクションは一時50足にも上った。「だから、仕事でスニーカーをデザインしたときはすごく楽しかったです」。 企画したスニーカーは大ヒット。 自信にもつながった。「OEMのお客様から、「今回はスニーカーの企画だから、ぜひ浅田さんにお願いしたい」というリクエストもあるんです」。スニーカー好きの女子高生からヒコを経てメーカーの企画職へ。 「新しいものを考えて形にすることが好き。 それがお客様に喜んでいただけると、本当にうれしい」。 育休から戻った浅田さんにかけられたのは、たくさんの「お帰り」「新作待ってるよ」 の声。 「これからも、自分らしさを出しながら、市場に受け入れられるものをつくり続けていきたいですね」。
COMPANY DATA
株式会社ダニュウ
婦人靴のホールセラー&インポーターとして良質な靴を提供。 自社ブランド靴の企画販売、 インポートブランドの日本代理店業務、 アパレルブランドのOEM生産を行う。
http://www.danyu.co.jp/ -
「次の100年」につながるものを生み出すということ
コンバースフットウェア株式会社
デザイナー野口 翔平さん日本国内で販売されるコンバースシューズの企画デザインが野口さんの仕事だ。シーズンごとのテーマに基づき、新商品のデザインを練り上げていく。ニューヨークやロンドンなど海外の展示会でリサーチをしたり、ベトナムの工場でプレゼンをしたりと、その行動半径は広い。
仕事をするようになって改めて、コンバースというブランドの重みを感じるようになった。「長い歴史の中で築かれてきた礎があって、その上で仕事をさせてもらっているという感謝の思いがある」。数十年来の熱烈なコンバースファン、あるいは何も知らずに買い求める人。さまざまな客層にアプローチし、魅力を伝えていくのがデザイナーに課せられた使命だ。 野口さんが仕事をしていて最もうれしい瞬間は、「『いいね』と言われそうなアイデアが浮かんだとき」だという。「コンバースのオールスターは100年以上生き続けている名品。今の自分たちは、次の100年につながる、語り継がれるものを残していかなければいけないと思っています」 今年で入社して11年目を迎える野口さん。ゆくゆくはコンバースのブランディングにも携わりたいと言う。「次の100年」は、もう始まっている。COMPANY DATA
コンバースフットウェア株式会社
日本国内でのコンバースシューズを企画、製造、販売。「Design yourself」をスローガンに掲げ、シューズを通して流行を発信し続けている。
http://converse.co.jp -
最上の履き心地を実現する一足をつくる
株式会社リーガルコーポレーション
製造部(RT工房勤務)富 友亮さんRT工房は、ビスポークと九分仕立て(パターンオーダー)を専門に制作する工房だ。わずか3名の職人で15年続けてきたという精鋭の職場に、入社3年目の大抜擢だった。採用面接時から「ビスポークをやりたい」と言い続けてきた富さんの願いがかなったのだ。オーダーメイドの高級靴を作る仕事はプレッシャーも大きい。「最初はとても緊張しました」。ビスポークには特殊なオーダーが多いのも難しいところ。「初めて手掛ける形も多く、試行錯誤することもしばしばです」。リーガルならではの厚い革を縫うのにもテクニックが要る。「クオリティを落とさないために、焦らず丁寧に、を心がけて作業をしています」。嬉しかったのは、前任者が担当していた常連のお客様の靴を自分が初めて担当し、その後もリピートの注文をいただけたこと。認められた、という気持ちになれた。
当面の目標は、接客から木型、底付けなど、すべての工程を担当できるようになること。技術を上げるには数をこなすのが一番、という考えのもと、プライベートな時間にも自分で靴を作っているという。そしてもう1つの大きな夢は、リーガルのビスポークをもっとたくさんの人に知ってもらうこと。「日本各地に店舗があるという良さを生かして、全国にファンを増やしていきたいですね」。COMPANY DATA
株式会社リーガルコーポレーション
1902年設立。4つの国内工場を持ち、年間約63万足を自社生産。リーガルブランドのビジネスシューズだけで常時300種類ものバリエーションを保持。企画・開発から製造、卸売、小売までを一貫して手がける日本を代表する革靴メーカー。
https://www.regal.co.jp/shoes -
ゼロからのシューズ開発に携わるやりがいる
株式会社デサント
デザイナー吉田 卓巳さん2018年に新設されたフットウェア開発部でデザイナーとして働く吉田さん。デサントがこれから力を入れていくというランニングシューズの開発にも携わっている。「今はシューズのデザインをするために、いろんな情報を収集しているところです」。実際に働いてみてデザイナーの仕事はパソコンのスキルや高いプレゼン能力が必要と痛感したという。「今はまだ先輩たちの仕事ぶりをみて学ぶ毎日です。でもいつか『デサントといえば、これだよね』と思ってもらえるような靴を作りたいですね」。
COMPANY DATA
株式会社デサント
1961年にスタート。“Design that moves”(あなたを動かす、すべてになる)をブランドのキー メッセージに野球、ゴルフ、陸上競技、バレーボール、アルペンスキーなどのウェアとシューズを展開。
https://www.descente.co.jp/jp/ -
デザイン画の忠実な再現を心がけて
株式会社ジャパーナ
シューズ事業部 開発G岩井 菜美子さんアルペングループで扱うシューズ全般の開発を手掛けている岩井さん。デザイン画をもとにサンプルを完成させるまでが主な仕事だ。「心がけているのは、デザイン画を忠実に立体として再現すること。工場での量産のしやすさにも気を配ります」。岩井さんのサンプルをベースに、何万足、何十万足が量産され、市場に出回る。売上を左右する重要な仕事だ。今の目標は、「岩井さんのパターンなら大丈夫」と言ってもらえるように、技術を磨くこと。日々の試行錯誤が成長へとつながっている。
COMPANY DATA
株式会社ジャパーナ
アルペングループに対する商品企画・開発に加え、他社ブランドOEM生産の受託、国内外のメーカー・小売業への卸(B to B)などを主な業務にするスポーツ用品メーカー。
https://www.alpen-group.jp/japana/ -
蓄えた知識が「武器」になる
LVMHファッション・グループ・ジャパン 株式会社 セリーヌジャパン
セールスアソシエイト宇田川 鋼一さん世界初となるシューズ売り場の販売スタッフに抜擢された宇田川さん。彼の「武器」は、ヒコで学んだ靴の知識だ。知識があるから、製法や素材の良さが誰よりもわかるし、自分の言葉でお客様に伝えられる。「ヒールの高い靴を履くと足が痛い」「足の形に合う靴がない」といった悩みや要望に最適な提案ができる。そうやってお客様満足を丁寧に引き出していくことが、この仕事の醍醐味だ。「今後は洋服やバッグに関する知識も増やしていきたいですね」。宇田川さんの挑戦は続く。
COMPANY DATA
LVMHファッション・グループ・ジャパン 株式会社 セリーヌジャパン
LVMHグループのひとつ。フランスのブランド・セリーヌ製品の輸入、販売を行う。表参道ブティック店をはじめ、全国各地に直営店を展開している。2012年、伊勢丹新宿店のシューズフロアに出店。シューズ専門の売り場は世界初だという。
https://www.celine.com/ja-jp/home -
浅草発「キレイめ」シューズを世界へ
株式会社 高進製靴
企画部 主任石橋 美咲さん婦人靴メーカーで企画職として働く石橋さん。デザイナーとの打ち合わせからサンプルのやり取り、生産まで全ての工程をつかさどる司令塔の役割を担う。腕の見せどころは、デザイン画を立体に仕上げるまでの部分だ。木型に線を引き、型紙を作り、素材を決定し、製甲の指示を出す。「ヒールの高さや曲線の深さなど、細部はすべて私が決めています」。高進製靴の得意分野はエレガンス系のレディースシューズ。「高進らしさ」を表現できることは石橋さんの誇りでもある。
COMPANY DATA
株式会社 高進製靴
パンプスやサンダルなど靴のデザインや設計から革の裁断や製甲、底付けまでを一貫して自社で手掛ける。自社ブランド「SHOESbakery」を展開。
http://www.shoesbakery.com -
足にやさしいインソールをお客様に届ける
中山靴店 札幌三越店
店長・バイイングマネージャー岸上 慎太郎さんコンフォートシューズの販売・企画・製造・オーダーメイドのシューズ・インソール(中敷き)の製造を手掛ける中山靴店。その接客はお客様の足の計測から始まる。「計測結果をもとに負担の少ない靴やインソールを提案させていただきます。どんな足の問題を抱えているのか、お客様と対話しながら見極めていくんです」。得意のイタリア語をいかし、年数回ヨーロッパに買付けに行くという岸上さん。「インソールの良さを広めることと、海外に出店すること、それが今後の大きな目標です」
COMPANY DATA
有限会社 中山靴店
コンフォートシューズ・オーダーメイド中敷きの専門店。お客様との対話を大切にし、足と靴について豊富な知識を持つ専門スタッフからのアドバイスなど、付加価値の高い接客により多くのリピーターを獲得している。
http://www.lamanodekent.co.jp -
「最高の仕上がり」を目指して
株式会社 ヴァーブクリエーション
生産管理岩本 明日菜さん生産管理を担当する岩本さんの仕事は、生産スケジュールの作成から、材料や裁断、製甲の発注、出荷までの全工程を管理することだ。「アイテム数が多く、納期もタイトなものが多いので、それこそパズルのように細かく日程を組み上げていきます」。少しでもずれると納期に影響するので、気が抜けない。一枚の革が靴になるまでの工程を見届けられるのがこの仕事の面白さだと岩本さんは言う。「品質と生産性の向上は永遠の課題。今後いろいろ提案していきたいと思っています」
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足にやさしいインソールをお客様に届ける
Koning Der Meister
ショップオーナー出原 賢さんKoning(ケーニッヒ)とはドイツ語で「King」の意味。「職人の中の王様を目指す」という出原さんの想いが込められている。心がけているのは「ワンランク上の修理」。靴づくりや“足”について学んだからこそできる+αのクオリティを追求したいのだという。他の店では断られた靴も、出原さんは“つくり”の視点からなんとかできないかと考える。「お客様の予想を、いい意味で裏切っていきたい。お渡ししたときのお客様の笑顔が、この仕事の一番の醍醐味ですからね」。
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正直な商売で商品の魅力を見せたい
カメイ・プロアクト株式会社
営業企画小松 理史さんデザイン・機能性に優れた輸入商材を扱うカメイ・プロアクト株式会社で、フランス発のスニーカーブランド「スプリングコート」の営業企画を担当。取り扱いを始めたばかりの現在は、主にブランディングを中心とした営業活動となっているそうだ。「在校時代にシュービジネスの授業があって、それをきっかけにこの職種を選びました。販売はピンとこないし、モノづくりも苦手、でも靴は好き……という自分にはピッタリのような気がしたんです。今でも当時のテキストは会社において参考にしています」入社以来、歴史あるシューズブランドをいくつか担当してきたが「欧米で持っている歴史やマーケットを、ちょっと特殊な日本のマーケットにどう乗せていくかを考えるとワクワクします」と仕事の楽しさを語る。仕事で気をつけているのは、性能や機能ばかりを細かく説明しすぎないこと。ともすれば機能やスペックだけですごいと思われることもあるのがスニーカーの世界だが、「まずはデザインありきのブランドが多いので、商品をパッと魅力的に見せることを心がけています」靴作りがわかるからこそ見える「商品の魅力」を強みに、顧客とのコミュニケーションを大切にしながら正直な商売をしていきたいとも語ってくれた。
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シューズデザインには量産できることも大切
アサクラ製作所
デザイナークラフトマン朝倉 裕貴さん小さい頃からものづくりが好きだったという朝倉さん。アトリエ内にある工具は、古いものを自ら使えるようにメンテナンスしたものばかりだ。スニーカー好きが高じ「靴を作ってみよう」と思い立ったのは高校時代。ヒコへの入学後、革靴の奥深さにどんどん惹かれてブランド立ち上げを決意。卒業後は研修生としてヒコに通いながら準備を重ね、2012年にブランドを設立した。「自身でブランドを立ち上げる以上、量産できるデザイン・製法というのも大切な要素だと思うんです」だからこそ、CADやイラストレーター、さらにはCAD切削機も導入し、伝統的製法と最新技術を組み合わせながら「長く共に過ごせる靴づくり」に挑戦し続けている。
バッグ
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既成の価値観にとらわれず、革新性あるプロダクトを生み出す
株式会社 イッセイ ミヤケ
雑貨企画室 企画職安部田 蔵馬さん安部田さんがイッセイ ミヤケを志望したのは、「今までにないものを、人々の快適な日常のために」という会社理念に共感したからだ。「ありきたりのバッグは作りたくない」という姿勢は学生時代から一貫している。「既成の価値観にとらわれず、誰も見たことのない素敵なものを生み出す。ワクワクするものづくりができています」。基本的に素材も一から開発する。異素材を組み合わせたり、新たな加工を考えたり。デザインの細部にもこだわり、何回もサンプルを作り直すこともあるという。その試行錯誤は、安部田さんにとって苦しくも楽しい時間だ。「新しく出会う素材には、それぞれ“なりたい形”があると思うんです。そこにたどり着けるとすごくうれしい」
イッセイ ミヤケには、バッグブランド「バオ バオ イッセイ ミヤケ」がある。それに続く商品を開発するのが安部田さんたちの使命だ。「奇抜なだけではダメ。バッグとしての機能や品質を満たしつつ『欲しい』『素敵』と思ってもらえるものでないと」。安部田さんの企画した商品も既に店頭に並んでいる。「納得のいくものづくりができて、それを実際にお客様に使っていただけるというのは大きな喜びだし、すごく贅沢なことなのかなと思います」。「まだ世にないもの」を求めて、安部田さんのチャレンジは続く。COMPANY DATA
株式会社 イッセイ ミヤケ
1971年設立。レディス、メンズ服ならびに小物・アクセサリーの企画、製造卸、販売、展覧会などの企画制作を事業としているデザイナーアパレル企業。
https://www.isseymiyake.com/ -
私なりのアプローチでサステナビリティに貢献したい
PLASTICITY
ファウンダー齊藤 明希さん在学中の「ブランドを作ろう」という課題から誕生したのが「PLASTICITY」だ。街で廃棄されたビニール傘を、バッグに加工して再び街へ送り出す。「環境に負荷をかけないモノづくりをしたい」という思いは、ずっと齊藤さんの中にあった。インターナショナルスクールや海外の大学で学ぶ中で、自然に醸成されていった意識だ。入学直後、ビニール傘を素材にしたリュックをコンペに出した。通過はしなかったが、このアイデアにシューズコースの友人が賛同。翌年、友人とともにブランドを完成させた。「初めはビニール1枚で作っていたのですが、どうしてもチープになってしまう。先生にも『百均の商品に負けてる』と酷評されて(笑)」。試行錯誤の末、複数枚のビニールをアイロンで圧着する手法にたどりついた。学園祭で目を留めてくれた企業の社長と共同開発の話が持ち上がり、現在に至る。
「PLASTICITY」はメディアでも取り上げられ、コラボの依頼も後を絶たないが、齊藤さんの判断は慎重だ。「ブランドの規模などは関係なく、できる限り気持ちで共感し合える方々とモノづくりをしていきたいので」。
ブランドの企画、自身の創作活動、やりたいことはたくさんある。「自分がいいと信じることのアウトプットを、これからも続けていきたいです」。COMPANY DATA
PLASTICITY
2019年ヒコ在学中に齊藤氏を中心とする3人のメンバーにより企画立案。日本で存在するビニール傘の廃棄問題に着目し、 「10年後なくなるべきブランド」としてスタート。
https://plasticity.co.jp/ -
フルハンドメイドのカバン工房で、一挙手一投足に想いを込める
株式会社ヘルツ
制作職神村 藍さん渋谷に工房を併設したショップを構える「HERZ(ヘルツ)」。神村さんはここで制作スタッフとして働いている。HERZの商品はすべて受注生産。型の種類はなんと700もあるのだという。「つくるモノが毎日違うから、今は日々勉強です。マニュアルもないので、先輩に教わったつくり方は、すべてノートにメモしています」。そう言って見せてくれたノートには、制作手順や留意点がびっしりと書き込まれていた。神村さんが心がけているのは、スピードと正確さ。「商品を待っているお客様がたくさんいらっしゃるので、できるだけ速く。でも、当然ですがどの工程でも気は抜けません。入社当初は失敗しないように、毎日緊張しっぱなしでした。少しずつ慣れてきた今でも、祈りに似た想いは同じですね」。1つ仕上がると、何よりもホッとするのだそう。この仕事の魅力は制作の全工程を自分の手でできることだと神村さんは言う。「黙々と手を動かしている時間が好き。しかも『できた! 』という達成感を日々味わえる仕事なんて、なかなかないですよね」。最近ではデザインにも関われるようになり、先輩に相談しながら試作をはじめている。すべてを手がけたバッグをお客様の手に届ける日が待ち遠しい。
COMPANY DATA
株式会社ヘルツ
「一生使える」をテーマに革の裁断から縫製まで、1点1点すべて職人の手でつくりあげる手作り革カバン工房。渋谷と大阪と博多等に工房と直営店を構える。
https://www.herz-bag.jp -
とことん考えて、考えて、考え抜くという仕事
株式会社 T&L
企画デザイン稲葉 直子さんT&Lの企画デザインチームは、社長と稲葉さんを含め計3名。仕事のメインは「考える」ことだ。「一つの展示会が終わるとすぐ、次の企画。常に考え続ける仕事ですね」。ショップを覗いて流行をチェックしたり、青山界隈を歩く人たちのファッションを観察したり。休日は時間の許す限り美術館などを訪れる。そうしてリサーチしたものが次の企画のタネになる。リサーチの対象はバッグに限らない。「私は建築物が好きなので、建物の素材や形からヒントを得ることもあります」
おおよそのイメージを固めてからデザイン画を描き、ディテールを詰めていく。絵だけでイメージがつかめないときは、紙やシーチングなどの素材を使って立体模型をつくることも。サンプルをつくる段階では、満足いくものが上がるまで何度もやり取りを重ねる。思い描いたとおりのサンプルが上がり、社内の女性スタッフに「いいね!」と言ってもらえたときがいちばんの喜びだと言う。
発売後は、店頭に様子を見にいくことも。「やっぱり売れているとうれしいですね。お客様が欲しかった『答え』を出せたのかな、って」。T&Lならではのクオリティを守りつつ、長く愛用してもらえるバッグをつくりたい。稲葉さんはそんな思いで日々「次の企画」を考え続けている。COMPANY DATA
株式会社 T&L
デザイナーの坂井一成氏により2004年に設立。オリジナル真鍮金具がアイコンのブランドTOFF&LOADSTONEを中心に、全国のセレクトショップ等で展開。
https://toffandloadstone.jp -
「社内で一目置かれるデザイナー」を目指して
株式会社 ヤマニ
企画デザイン寺田 桃己さんメンズ事業部で革小物の企画デザインを担当する寺田さん。海外ブランドのコレクションを見たり、ショップをチェックしたり、今売れているもの、今後求められるものをひたすら考える毎日だ。2017年には初めて、自身の企画した財布のシリーズが販売された。「評価されてうれしかった」が、自分の実力はまだまだだと実感している。目標は「社内で一目置かれるデザイナーになること」。はっとするようなセンスを持つ先輩に少しでも近づけるよう、日々努力を積み重ねている。
COMPANY DATA
株式会社 ヤマニ
「メンズ事業部」、「レディス事業部」、「ゴルフ事業部」という3つの事業部で30前後のライセンスブランドの製品を百貨店や量販店、専門店に卸す、業界屈指の袋物問屋。
https://www.yamani.co.jp -
「世界一いいものを作れる職人」を目指す
株式会社 石川
製造部山崎 洋史さん革小物を扱うOEMメーカーで働く山崎さん。石川の「技術力に惚れて」、弟子入りする思いで入社した。バッグとは違う小物ならではの技術など、今は文字通り「一から勉強している」日々だ。仕事の中で大事にしているのは、「百個作るうちの一個であっても、お客様にとってはかけがえのない一個」だということ。だから見えない部分の処理にも手を抜かない。将来の夢は「世界一いいものを作れる職人になること!」と言い切る。技術への飽くなき探求心が山崎さんの原動力だ。
COMPANY DATA
株式会社 石川
革製品を扱うOEM専門メーカー。「確かな品質」「職人による熟練した技術」「海外生産ライン」を活かし、企業ニーズに合った企画を提案している。
http://www.iskwjp.com/ -
考えて、生み出す楽しさを日々感じている
エース株式会社
商品企画部制作室菊池 優佑さん財布、コインケース、手帳カバー、ペンケースといった小物部門の商品企画を担当する菊池さん。新たな商品を提案したり、デザイナーのイメージを形にしたりするのが主な仕事だ。「考える」仕事をしたくて、前職のメーカーから転職して1年半。生みの苦しみを味わいつつも充実した毎日を送っている。最近取り組んだのは、二つ折り財布とボックス型の小銭入れを一体化させるという難題。「いかにスマートに収められるか、市場調査を行い試行錯誤を繰り返しました。やっと形になったときは、達成感がありましたね」。とはいえ、仕事はそこで終わりではない。その後は量産に向けての改良作業が待っているし、他に走っている案件も多数。「考える」ことに終わりはない。「自分は、経験値という面ではまだまだだと思う」と菊池さん。「先輩たちは、扱ってきた点数がはるかに違う。自分ももっともっと経験を積まないと」。休日には百貨店を巡り、いろんな商品を見て勉強。新たな発見は、次の仕事に生かす。自分の経験値を補う、ささやかだが重要な努力だ。「財布などの小物は、なかなか新しい形は生まれにくいもの。でも、自分の発想で全く新しいものを生み出せたらうれしいですね」。菊池さんの挑戦は続く。
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同じ業務を半分の時間でできる強み
株式会社サンワ
生産管理小池 夕希菜さんバッグや小物類のOEM生産を手がける株式会社サンワで、生産管理業務を行っている小池さん。生産拠点である中国との折衝、調整業務が中心の毎日。「モノづくりの知識やテクニックがあることで、どうすれば見た目を変えずに効率的に作れるかなどがわかる。作り方を知らない人の半分の時間で、クライアントを満足させられる回答を提示できるのが専門性を持っている強みですね」。業務そのものに興味を持って仕事をすることで、クリエイティブな能力を発揮している。
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自分が手掛けたバッグを世に送り出す喜び
株式会社パラディドル
生産部西川 紗生さん革の匂いに包まれた小さな工房が西川さんの仕事場だ。雑誌にもたびたび取り上げられる「カツユキコダマ」のハイセンスなバッグは、西川さんの手を通ってここから生み出されていく。新製品のサンプルの縫製も西川さんの仕事。「1枚のデザイン画が、型紙を経て、徐々にバッグの形になっていく。その工程に携わるときはいつもワクワクします」。こだわりは、たとえ目立たない部分であっても、手を抜かず美しく縫い上げること。「それが商品の価値につながっていれば、うれしいですね」。